遺言執行について

 遺言執行者に士業の就任をご希望される方がいらっしゃいます。ネットでも勧められている記事があります。当職が士業を設定した方が良いと考えるのは、まず認知、廃除等(遺言執行者にしかできないこと)を遺言書に記載する場合です。次は第三者に遺贈を行う場合、相続人が遠方に住居し疎遠の場合です。遺言執行人の仕事は遺言に書かれた内容を執行することです。(平成30年の民法改正で遺言執行者の権限が明確化されました) 遺言書に書かれていない遺産があればそれは別途遺産分割協議をして頂くことになります(予備的遺言を記載すれば不要にすることもできます) 相続税の申告は遺言執行者の仕事に含まれません。一方、報酬がかかります。金額は遺言書で事前に設定しておく場合を除いて、相続人(代表者)と受任者の協議となります。遺言執行者が必要になるのはこの先いつかはわかりません。家族構成、遺産の構成・残高も変わっている可能性もあります。ですが、公正証書遺言は遺言執行者が設定されるケースは多いです。日本公証人連合会のホームページのFAQ(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow11)の11必要書類のQ2の⑦遺言執行者の特定資料が記載されています。(このページは令和4年12月に改訂されました。以前は、「遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者であり遺言書に原則として記載する必要があります。通常相続人又は受遺者が遺言執行者になりますのでその特定資料は不要ですが・・・・」と記載されていました) 公証人は遺言者の方に「親族の第三者的な立場の方でお願いできる方はいませんか」とお聞きになることが多かったです。遺言執行者はご親族を指定されるケースが殆どでした。士業が持ち込まれたケースでも特別な事情がない限りはご親族を指定されていました。遺言執行者は自己の責任で第三者にその任務を行わせることができます。特別な事項がない場合はその時に相続手続きを委任することができますし、必要になりましたら家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てを行うこともできます。その辺のこともお考え頂ければと思います。当職が遺言執行者を務めさせて頂くか、ご家族の中のふさわしい方をお選び頂くかは、お話をお聞きし適切なご提案をさせて頂きたいと考えております。なお、当職をご希望の方には受任側のバックアップ体制として足立支部の他の行政書士1名を予備的指定させて頂きます。